歴史は繰り返すのか!1990年代前半に起きた“貯蓄貸付組合問題”
国内市場は、サブプラム問題で揺れる米国市場の動向に一喜一憂する展開が続いています。
今後の見通しを考えると、問題の影響がどの程度なのか、具体的には新たに破綻や巨額損失などが発生するのかどうか、米経済の成長のエンジン役を担う個人消費に影響を及ぼすことで、消費の落ち込み→経済成長の鈍化という悪いシナリオに向かうのか、といったところです。
今回の一連の流れを見ると、記憶から思い出されるのは1980年台後半から囁かれはじめ1994年1月にカリフォルニア州オレンジ郡が財政破綻した“貯蓄貸付組合問題”です。
貯蓄貸付組合とは、貯蓄と住宅ローンに特化した金融機関ということになります。
高利子を付加することで貯蓄貸付組合に資金を集めて、住宅市場の流動性を高めて住宅ローンの貸し出しをおこなわせ、借り手がいつでも借りられるというものでした。
その当時の住宅ローン市場は、短期間で一括返済をするか、利息のみを支払い続け満期時に一括返済をするというものが大半でした。
今問題になっているサブプライムローンは当初数年間の金利を低く抑えたり、利息だけを支払うといったものなので、よく見ると基本的にそんなに大きく変わっていません。
住宅の価格上昇が続いているうちは、住宅の値上がり分で担保余力が拡大するため、新規に融資を受けたり、場合によっては売却して一括返済しても売却益を得ることも可能でですが、一旦価格上昇がストップすると、今度は逆転現象が起きる可能性が高くなります。
つまり、予定の一括返済ができなくなってしまうことや、金利の支払いが滞ってしまうことなど想定外の事態が発生しはじめます。
先の貯蓄貸付組合問題と、今のサブプライムローン問題の“違い”は、不動産、住宅ローンなどの証券化が進み市場が拡大した結果、もともとの資産を持つ保有者や取引を仲介する金融機関、さらに格付けをおこなう格付会社などが受け取る手数料が莫大なものになってしまったことです。
結果、ビジネスチャンスを期待する金融機関をはじめ投資家にとっては大変魅力的な市場となり、サブプライム市場へ投資する動きが米国内に限らず世界各国に拡がったことで、今回の問題に絡む損失額や経済に与える影響が甚大なものになってしまったということです。


