竹酢液・木酢液の利用ガイド

目 次

■竹酢液
■竹酢液のパワー
■粗竹(木)酢液の成分
■精製竹酢液の一般的な成分と物性


竹酢液の効果と利用の実際


■竹酢液の効果と利用の実際について

基本的な使用方法
■土壌改良
■堆肥作り
■生長促進
■減農薬
■無農薬
■施用のポイント
■作物別施用法
■竹酢液・木酢液の病害虫防除施用方法(一覧早見表
■動植物エキス入り
■ゴルフ場の防除
■虫獣忌避

畜産での利用
■畜舎の消臭
■飼料への添加

生活面での活用
■スキンケア
■水虫


■竹酢液
竹酢液とは、竹を炭に焼くときの煙から採取できる液体です。煙の正体は、炭材の竹が熱分解するときに発生するガス成分と水蒸気です。この煙を煙突に通して冷やすと、水蒸気の微粒子が水滴になり、煙突の内壁を液状になって滴り落ちてきます。この液体が竹酢液です。

■竹酢液のパワー
実際に入浴剤として使ってみるとわかることですが、100cc位の量だと竹酢液の方が入浴剤として優れていることが体感でわかります。(当社データ) 木酢液だと4~6倍必要になり、それでも入浴後の感じとして竹酢液の方が「いい感じがする」と多くの人がいいます。
殺菌力も竹酢液の方が数倍優れており、また、業務で害虫防除に使用する際にも、ゴキブリやネズミ対策として木酢液は思ったほどの効果が出ないため(当社データ)使えないが、竹酢液だと仕事に使える。
この事から、当社では竹酢液をおすすめすると共に竹酢液の販売に積極的です。

■粗竹(木)竹酢液の成分

種 類
化 合 物
有機酸類 酢酸、珪酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、イソバレリアン酸、クロトン酸、イソカプロン酸、チグリン酸、エナント酸、レプリン酸ほか
フェノール類 フェノール、o.m.p-クレゾール、2.4-および3.5-キシレノール、4-エチルおよび4-プロピルフェノール、グアヤコール、クレゾール、4-エチルおよび4-プロピル-グアヤコール、ピロガロール、5-メチルピロガロール、5-エチルピロガロール-およびプロピルピロガロール-1、3-ジメチルエーテル、カテコール、4-メチルおよび4-プロピルカテコールほか
カルボニル化合物 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピレケトン、メチルプチルケトン、ムメメチルプロピルケトン、メチルシクロペンテノロンほか
アルコール類 メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパロール、アリルアルコール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコールほか
中性成分 レボグルコサン、アセトール、マルトール、有機酸メチルエステル、ベラトロール、4-メチル、4-エチルおよび4-プロピルペラトロール、3.4-ベンズビレン、1.2.5.6-ジメンズアントラセン、20-メチルコランスレン、α-ヒドロキシ-γ-バレローラクトンほか
塩基性成分 アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ピリジン、ムメチルピリジン、ジメチツピリジン、トリメチルアミンほか

(林業試験場『木材工業ハンドブック』丸善、1972年より)

■精製竹酢液の一般的な成分と物性

成 分

含有量・物性

酢酸

3,200ppm

メタノール

230ppm

プロピオン酸

200ppm

フェノール

64ppm

グアヤコール

40ppm

フルフラール

22ppm

pH

3.1

比重

1.0005

 


竹酢液の効果と利用の実際

■竹酢液の効果と利用の実際について

この「竹酢液の効果と利用の実際」は、著書「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」岸本定吉監修、池嶋庸元著、発行所:社団法人 農山漁村文化協会、¥1,800からの抜粋です。
竹炭と竹酢液に関して詳しく述べられています。
竹炭や竹酢液を使用する場合に必ず役に立ちますので、ご利用の方は本書をお求め下さい。

基本的な使用方法
■土壌改良
竹炭を単独で使用すると、土は一時的にアルカリ性が強くなり、作物の根が伸びにくいといった影響もみられるが、竹酢液を併用するとそうした問題は解消し、即効性も期待できるようになる。
炭の容量の約20%の割合で竹酢液原液を混ぜるとその効果をいっそう高めることができる。

■堆肥作り
堆肥に竹酢液50~300倍希釈液を混ぜると、竹酢液の成分が微生物の餌となり、微生物の増殖を活発にし、発酵も促進される。アンモニアガスの発散を防ぎ、悪臭を中和・分解する作用もする。発酵が早まり、高温になるのが早いので、切り返しも早めに行うことができる。
施用量は1立方メートルあたり1回に原液約1?を目安にする。堆肥の悪臭を減らすには200~300倍希釈液の散布回数を増やせばよい。切り返しのたびに同じ要領で散布するとさらに効果は高まる。
糞尿類にも竹酢液原液を10~20%混入すると、腐熟途中の臭気が抑えられ、汚泥の沈殿も少なくなる。

■生長促進
作物の生長促進を目的とする場合は、竹酢液200~500倍希釈液がよく使用されている。 土壌散布する場合には、播種や苗を植える1週間前から、少なくとも3日前に散布しておくようにする。
使用量は500倍液で1アールあたり約50?を目安とする。野菜だけでなく、樹木の幼苗の成育にも竹酢液は有効。

■減農薬
竹酢液は酢酸主成分とする酸性の液体で、色々な物質を溶かし込む作用が大きく、農薬などの薬効成分も竹酢液にはよく溶ける。また、竹酢液に含まれているアルコール類・ケトン類・アルデヒド類は、水の分子を小さくし、作物の葉や根などの組織への浸透性をよくする働きをする。
したがって、竹酢液に農薬を溶かして使用すると、農薬の薬効成分がよく溶けて、作物組織の内部までよく浸透させるので、それだけ農薬の効果が高まることになる。効き目がよくなると、使用するときの濃度を薄くしたり、散布する回数を減らすことができ、その結果、農薬の使用量も減少する。
また、竹酢液には微量のタール分が残留しているので、乾燥すると薄い皮膜となり、これが展着剤の働きをする。 このように、竹酢液を病害虫の駆除に使用すると、農薬の使用量を半減または三分の一に減量できる効果と、展着剤効果、さらには作業者の安全性と健康を守るうえでも極めて有効である。
通常、竹酢液に農薬を溶かす場合は、竹酢液を1000倍に薄めたものを使用するが、農薬に含まれている薬効成分は複雑で、竹酢液の成分とよく反応するものもあるので、作物の生育状態をよく観察し、細部まで気を配りながら正しく使用する必要がある。
特に、ボルドー液のようなアルカリ性の農薬は、竹酢液の酸に激しく反応するために混ぜることはできないが、それ以外の一般の農薬はpH値が低く、1000倍以上に薄めた竹酢液で溶くと、浸透性がよくなり、施用効果もよくなる。
竹酢液は農薬のような危険性を伴う化学物質ではなく、竹炭とともに人にも、作物にも、土にも優しく、安全で、減農薬農法の決め手として高い評価を受けている。

■無農薬
竹酢液に含まれている酢酸などの有機酸類には独自の殺菌・抗菌作用があり、土壌消毒や害虫駆除のほか、灰色カビ病・立枯病・紋羽病・ベト病などの駆除にも効果があることが知られている。
しかも人体には無害で、公害を出さないので安心して使用できる。
防除に使用するときの濃度は、作物の品種や使用する時期などによって異なるが、作物の生長促進に使う場合よりも濃いめにするのが一般的な使用法です。
20倍~200倍程度に薄めたものを数回に分けて土壌に散布するか、葉面散布する。 ちなみに、200倍くらいに薄めた竹酢液を葉面散布すると、ハダニ・アブラムシ・カイガラムシの防除に有効である。
作物の根本に与えると、センチュウの駆除に効果があることも知られている。 竹酢液は200倍以下の濃度で使用すると、病原菌などの微生物の繁殖をおさえるが、500倍以上に薄めると、逆に有用な微生物の増殖を促進する。
微生物の中には酸に強いものや弱いものがいて、一概には言えないが、一般的には竹酢液を散布すると、有用な微生物の密度が高くなる傾向が見られる。しかし、元々有用な微生物が生息していなかったり、酸に対する抵抗力を持つ病原菌の勢力が強い土壌では逆効果を招くこともある。
したがって、竹酢液を使う場合は、まず有用な微生物が多く生息していたり、生息しやすくするために、堆肥などの有機物を入れて、竹酢液の効果が十分にあらわれるような環境を整えておくことも大切である。

■施用のポイント
竹酢液を水田や畑地で防除を目的に使用する場合は、散布してから作付けまでの期間を約1週間、少なくとも3日間あけることも、竹酢液を上手に使いこなすコツのひとつである。
竹酢液を散布した直後には、竹酢液に含まれている有機酸と土のアルカリ成分が互いに化学反応して一酸化炭素を発生する。これは微生物には有害で、殺菌力として作用するために作物の根に害を及ぼすことがある。
つまり、養分を吸収する根の働きをストップさせるので、木質化してしまったり、根が腐ってしまうこともある。
また、一酸化炭素が二酸化炭素に変化する過程で、一時的に酸欠状態にもなる。 この一酸化炭素は土の中に残留しやすい性質があるので、竹酢液の散布後は、しばらく土をそっとしておいて、作物に悪い影響が出なくなってから作付けを始める。
ただし、竹酢液に竹炭(粉炭)を20%くらい加えて使用すると、こうした害は予防できる。
酸性の強い竹酢液を散布すると、土の中のpH値がさがり、酸性害が出ないかということも気になるが、竹酢液に含まれている有機酸は分解されやすく、硫酸や塩酸のようにいつまでも土の中に残留して害になる酸とは全く異質の物なので、そうした心配はいらない。
土のpH値も散布した直後は0.5位下がるが、1ヶ月もすれば元に戻る。竹酢液の原液を1立方メートルの土の中に10?入れた場合でも、翌日には散布前のpH値に近づき、4~5日で元通りになったという例もある。

■作物別施用法
竹酢液は農薬ではないので、害虫には効かないが、作物への薬害を防ぐために、病害虫に対する抵抗力を増し、害虫の天敵を増やす働きをする。
また、施用する竹酢液に適量の竹炭を加えると、土の中に残留している有害な物質はキレイに吸着され、炭に含まれているミネラル(灰分)が土に補給される。
竹炭や竹酢液を施用した実例は、木炭・木酢液に比べると、極めて少なく詳細なデータを報告できる段階ではないが、病害虫が減少し、一般的には収穫量が増え、作物の風味がよくなることは、すでに確認されている。
また、育苗培土に粉炭を容積比約2%で加えると、発根が促進され、細毛根が多くなり、肥料切れが無く、定値時期が延びても老化しない。地上苗部も丈夫になる。
本圃では、耕起土壌容積に対し、容積比で約1%になるまで数回の耕起チャンスを利用して混合する。
その後、作付けごとに0.1%程度補充する。 竹酢液(原液)を用土に混ぜると、その濃度によって様々な効果を発揮する。
たとえば、50倍液を用土に直接施用すると、発根がよくなり、センチュウや土壌病害を防ぎ、有用微生物を増殖する。 500倍液を葉面散布すると、樹勢・草勢がよくなり、品質が向上し、病気を予防する。秋・冬の堆肥作りに使っても、発酵がよくなり、炭を混ぜると良質の堆肥ができる。
庭に散布すると、ダニ・ナメクジ・ムカデなどの忌避効果もみられ、犬や猫の侵入も防げる。 鉢物に使う用土は、あらかじめ竹酢液と混合したものを、10~15日そのまま放置し、ガスが抜けた状態にしてから鉢に入れるようにする。容積比で土の量の1%くらいの量の粉炭を混ぜると、いっそう効果がある。

 

竹酢液・木酢液の病害虫防除施用方法

作 物

病害虫名

施用方法

トマト センチュウ 50倍液を株元へ灌注
ウイルス 200倍液を1週間おきに散布
根腐れ病 竹酢液+パンの耳+モミガラ燻炭の植穴施用
ネコブセンチュウ 100~200倍液の株元灌注
キュウリ ネコブセンチュウ 100~200倍液の株元灌注ニンニク入り200倍竹酢液の葉面散布
ウドンコ病・ベト病 ニンニク入り200倍竹酢液の葉面散布
オンシツコナジラミ ドクダミ入り200倍竹酢液の葉面散布
灰色カビ病・ウドンコ病 活性炭+300倍液を施用
ナス 灰色カビ病・ウドンコ病 活性炭+300倍液を施用
青枯病 有機液肥に混ぜて月1~2回灌注
ダニ ドクダミ入り竹酢液を施用
ピーマン センチュウ 1500~2000倍液を灌水代わりに3回散布
メロン ネコブセンチュウ 竹酢液+粉炭を作付前に施用
アブラムシ 竹酢液+粉炭で忌避効果
イチゴ メセンチュウ 100~200倍液の散布
ハクサイ ネコブセンチュウ 竹酢液入りの半生堆肥施用
軟腐病・灰色カビ病 200倍液を5日おきに3回散布
キャベツ ネコブセンチュウ 竹酢液入りの半生堆肥施用
ベト病・コナガ 農薬+竹酢液200~300倍液を10~15日間隔で散布
軟腐病・灰色カビ病 200倍液を5日おきに3回散布
大根 菌核病 200倍液を5日おきに3回散布
軟弱葉もの 立枯病 キトサン+竹酢液の200倍液を土の表面へ散布
サツマイモ ネコブセンチュウ 100~200倍液20?+硫酸カリ10~20gの株元灌注
ビート 立枯病 20倍液の株元灌注
小麦 縞萎縮病 4~8倍液の散布で不活性化
大麦 縞萎縮病 4~8倍液の散布で不活性化
リンゴ 腐乱病 50倍液を1週間おきに2回散布。ペースト塗布
ブドウ ウドンコ病・ダニ 50倍液の散布
ナシ 紋羽病 根を掘りあげて灌注
白さび病 200?に約150?を施用
針葉樹苗 立枯病 原液8?/?施用
樹木・観葉植物 カイガラムシ 200倍液を2~3回散布
注意事項
※作物に直接散布場合、希釈率は200倍以上にすること。200倍以下で直接散布すると枯れる恐れがあります。
※アルカリ性の農薬との混用は避けること。

■動植物エキス入り
竹酢液を単独で使用するのではなく、様々な動植物のエキスを竹酢液に溶かし込み、その効果を高めている事例も多くみられるようになった。
鹿児島県刈町の窪田隆志さんは、先祖から受け継いだ粘土窯七基をもつ本職の炭やきさんで、自家製の粉炭・木酢液を土づくりから防除まで、広く利用している。特に、木酢液に魚のアラを加えた『特製魚のアラ入り木酢液』に顕著な効果がみられるという。
魚屋からもらってくるイワシ・サバ・コノシロなどの青魚のアラを木酢液に、重量比で約20%相当量を混ぜると、1ヶ月で骨まで溶け、アミノ酸・カルシウムが補充され、いちだんとパワーアップする。
容器に貯蔵中は、毎日撹拌するが、木酢液がベースだから腐敗することが無く、長期保存もできる。施用するときはストレーナー(漉し器)で濾過し、動力噴霧器を使うときは吸取口にタオルをかぶせる。
この特製魚のアラ入り木酢液1に対して木酢液4の割合で混ぜ、その400倍液にジマンダイセンを1200倍になるように混ぜて、6~7月にミカンに集中散布したところ、告点描の発生はゼロ、ダニの防除も無用となった。
窪田さんはダニ退治にもニンニク・トウガラシ入り木酢液を利用している。製法はニンニク・トウガラシを木酢液と一緒にミキサーで混ぜ、ミカン袋に入れて10?の木酢液に漬け込む。混合率は木酢液10?に対してニンニク・トウガラシをそれぞれ500?の割合にする。
約2週間後には使えるので、ダニが発生する前に、10アールあたり300?の割合で散布する。野菜などには200倍液、茶には300~500倍液でダニの発生は防げる。
キュウリのネコブセンチュウ防除には、10キロの粉炭に5倍に薄めた木酢液5?の割合で混合し、10アールあたり300キロを目安に散布して条を中心にロータリーする。効果が弱い場合は、ニンニク・トウガラシ入り木酢液を150倍に薄めて株元に灌注すると、効果は高まる。マメ科の作物には特に有効である。
イチゴのウドンコ病の防除には、苗の時から月2回、株元に500?散布するとウドンコ病、灰カビ病・タンソ病は発生しない。
土にも粉炭を加えた堆肥を入れると、根張りがよくなり、病害虫に強くなり、味・色もよくなる。

■ゴルフ場の防除
栃木県農業試験所の木島利夫氏によると、木酢液をゴルフすの土壌に添加すると、芝草の病原菌であるリゾクトニヤ菌やピシウム菌の成育を抑え、芝草を病原菌から守るトリコデルマ菌を増殖するという。
つまり天敵で退治できるというわけである。
木酢液のこの作用は昭和25年当時の農林省林業試験場の野原勇太技官が発見し、日本林学会賞を受賞している。木島氏はこの理論をゴルフ場に応用したのである。
自然には植物が発病しにくい土壌(抑止型土壌)と発病しやすい土壌(助長型土壌)があって、前者の土壌には、共通してトリコデルマ菌(その他アースロバクターなど)が存在する場合が多い。詳しい原因はまだ解明されていないが、芝草の病原菌を退治する天敵・トリコデルマ菌が、木酢液によって助長されるというこの発見は、今後の芝草の総合防除管理に大きな期待が寄せられている。
最近は、ゴルフ場が自家製の竹炭や竹酢液を散布する場合も多くなっているが、竹酢液を使ってゴルフコースの土壌殺菌を行う場合は、10~20倍くらいに薄めて、1平方メートルあたり2?の割合で使用するのが目安とされている。
しかし、この濃度では、芝草に直接かかると枯れることがあるので、100倍くらいに薄めた液を数回に分けて散布するほうが安全である。
葉面散布の場合は500~1000倍に薄めたものを、また、芝草を生育中の土壌には200~300倍に薄めた竹酢液を粉炭に含ませて使用すると、いっそう効果的である。
ゴルフ場の場合、芝草の品質としてパッティング・クオリティ(グリーン上のボールの走りと転がり特性)の向上が目標とされる。芝草の生える密度が1平方メートルatari 20~30本に保たれ、細葉が上向きに揃って、まっすぐ生長することがその要素にもなっている。竹酢液がこうした特性にプラスになるような利用技術が開発されると、その用途はいっそう広まるものと考えられる。

■虫獣忌避
竹酢液には独特のこげくさい刺激臭がある。この燻臭が虫類や小動物に火を連想させ、本能的に避けようとする習性があることはよく知られている。
こうした竹酢液の特性を活かして、山林や農地でも野ネズミ、モグラ、ムカデ、山ヒルなどの忌避用に利用されている。忌避用に使う竹酢液は、精製する必要はなく、採取したままの粗竹酢液でよい。
竹酢液のニオイは、100万倍に薄めても有効で、コナガ(蛾)がたかるのを防ぐのに使われている。
木酢液に蟻酸を添加した液がムカデの忌避に有効なことが経験的に知られているが、その効果を裏付ける実験がある。
この実験では、捕獲後20日以内で、実験前5日間絶食させたムカデを試料に使っている。細長い実験容器の一端に、ムカデが餌として好むミミズを置き、その直ぐ前に、木酢液・クレオソート・蟻酸・木酢液と蟻酸の混合物を散布した帯状のゾーンを設けて、実験容器のもう一方の端に、ムカデを18匹ずつ入れて、何匹のムカデがゾーンを乗り越えてミミズを食べるかを調べている。

その結果、表1-2から明らかなように、木酢液・クレオソート・蟻酸それぞれの単品では忌避作用は中程度であるが、木酢液に蟻酸を加えた混合物は強い忌避作用を示している。
木酢液の成分と蟻酸との相乗作用の結果、忌避作用が増幅されたものと考えられる。
ミミズの替わりに生魚を置いて、同じ実験を6匹の猫を使って行った実験でも、表4-4のとおり、忌避効果は認められた。
この実験は木酢液で行われているが、竹酢液には木酢液に比べて蟻酸の量が多いので、忌避効果がいっそう高まるものと考えられる。

畜産での利用
■畜舎の消
竹炭の新しい用途として最初に実用化されたのは、優れた吸着性を生かした消臭材への有効利用である。
竹炭は備長炭の約10倍といわれる吸着力で、悪臭成分を吸着し、表面に着生する微生物がこれを分解・処理する。炭焼きの副産物である竹酢液も、養豚場や養鶏場から発生する糞尿の悪臭を消すのに利用され、画期的な成果をあげている。
竹炭が吸着力という物理的な作用と、吸着したニオイの成分を孔に着生する微生物が分解する生物学的な作用で消臭効果を発揮する。
これに対して、竹酢液はアンモニアや硫黄化合物など、ニオイの成分を中和またはマスキング(包みかくす)と呼ばれる化学的な作用で悪臭のしない物質に変化させて消臭する。
糞尿のニオイのもとは、硫化水素・アンモニアが主体で、インドール・スカトール・メルカプタン・酪酸などである。糞尿中のアンモニア臭が竹酢液中の酢酸を主体とする酸類と反応して消臭されるのが中和反応である。
スカトール・メルカプタンなどのたんぱく質の分解、硫黄酸化物などによるニオイの消臭は、竹酢液中のフェノール成分のマスキング作用によるものである。
糞尿のように悪臭源と考えられる成分が多数の時は、単一成分で全ての悪臭を消すことは不可能で、むしろ多くの成分の混合体である竹酢液(木酢液)のほうが、消臭材として優れた効果を発揮する。
竹酢液のpH値は3.0前後を示し、主成分の酢酸は発酵を止める作用をする。畜舎や鶏舎の糞尿処理場や下水道が整備されていない地域の汲み取り式便所でも、竹酢液は手軽で経済的な消臭材として広く用いられている。
使用量については、消臭効果が確認できることが条件で、特に基準はなく、使用後の炭はそのまま良質の堆肥材として利用できるので無駄にはならない。

■飼料への添加
畜産業の場合、「悪臭はもとから断て」といわれるように、竹酢液を粉炭に吸着させたものを家畜に飼料として食べさせると、その排泄物のニオイは気にならなくなるという多数の実験結果も報告されている。
また、たんぱく質などの分解によって生じる硫黄化合物などに対しても、消臭効果があることが知られている。
糞尿のように複数の悪臭化合物を含む汚物には、単独の化学化合物でその悪臭を消すことは容易ではなく、多種類の化合物の混合液である竹酢液・木酢液ならそれが可能になるのである。
竹酢液を吸着させた粉炭を飼料と一緒にニワトリに食べさせると、卵の殻が強くなり、卵黄の生臭みが消えて、こくのある風味が出ることや、豚や牛の場合は、味がよく、肉のしまりもよくなることが、すでに多くの畜産農家で実証されている。
資料の中に適量の竹酢液または木酢液を加えることによって、家畜の食欲が盛んになり、成育状態が良くなる。そのうえ、家畜の健康状態を知る目安となる糞尿の色や形もキレイになり、悪臭も少なくなる。これは内蔵、とくに腸内に異常発酵が無く、与えた飼料の消化吸収が順調に行われている証拠ともいえる。
こうして飼育した家畜を解体すると、無駄な脂肪がなく、肉も全体によくしまり、とくに肝臓の健康状態のよいことが、肉眼でもわかるほどだと報告されている。
人間や動物の腸内には、乳酸菌など無数の善玉菌が生きていて、それが竹酢液や木酢液を好むので、ちょうど健康食品として飲用されているヨーグルトと同じように、竹酢液(木酢液)腸内の善玉菌の増殖を助け、その働きを活性化させる作用をするのである。

生活面での活用
■スキンケア
竹酢液入りのスキンケア用品も数多く市販されている。
竹酢液には主成分の酢酸ほか、アルコール・エステル・アルデヒド・ケトンなど、解明されているだけでも約二百数十種類以上の天然成分が含まれている。
主成分の酢酸は、皮膚表面の角質を和らげたり、収斂(ひきしめる)作用、アルコール成分は皮膚を清潔にし、殺菌・消毒の働きをする。アルデヒド成分は浸透性にすぐれているので、市販の化粧クリームやハンドクリームなどと併用しても、栄養成分を皮膚の深部まで補給し、スキンケア効果を高める働きをする。
また、炭素粒子が多く含まれているので、皮膚そのものを若返らせる作用があることも知られている。竹酢液は医薬品ではないが、こうした様々な成分の複合作用によって、たとえば、高齢者に多い乾燥性皮膚炎をはじめ、慢性湿疹・疥癬などの皮膚疾患やなかなか完治しない水虫やアトピー性皮膚炎などにも有効なことが、皮膚科専門医の臨床例でも認められている。
アトピー性皮膚炎の薬として多用されているステロイド系の塗布薬と異なり、医薬品でない竹酢液には副作用がないので安心して使用できる。
アトピー性皮膚炎の症状の悪化は、患部がかゆいために、その部位をかきむしり、それにより皮膚の損傷と黄色ブドウ球菌などの皮膚感染によることが多い。
竹酢液にはかゆみを和らげる作用があるので、皮膚をかきやぶるようなダメージも少なくなる。
また、竹酢液には天然型のポリフェノールやクレゾールなど、殺菌作用をする成分が含まれていて、これらの成分も皮膚症状の改善に関係していると考えられる。

■水虫
水虫はカビの一種の皮膚糸状菌が手や足の皮膚に寄生して発症する手白癬と足白癬、それに爪白癬のことで、その症状は、いずれも皮膚のかぶれなどの場合と違って、1週間くらいで治るものではなく、治療には根気が何よりも必要とされる。
水虫の治療には、昔から様々な民間療法が取り入れられている。食用酢を患部に塗ったり、食用酢の中に患部を浸すこともそのひとつだが、皮膚科の専門医の多くは、その効果を否定している。食用の酢殺菌効果は認められているものの、水虫の主犯である角質の中に寄生したカビ菌は、食用酢では死なないというのが、その理由である。
それでは、食用酢と同じように、酢酸が主成分の竹酢液や木酢液も、水虫退治に無効かというと、一概に決めつけられないのが竹酢液・木酢液の神秘性の一面でもある。昔から「炭やきさんは水虫知らず」といわれているように、一日中、地下足袋をはいて山仕事をしていても、水虫に悩む人はほとんどいない。手足に竹酢液や木酢液の原液を付けると水虫にならないという民間療法を信じ、それを実践しているからである。
炭やきさんにかぎらず、都会で生活する人々のあいだでも、竹酢液や木酢液で、水虫による長年の悩みから解放されたという多くの事例からも、その効果が裏付けられている。
竹酢液や木酢液には、主成分の酢酸のほかに、炭を焼くときの熱分解によって生成される二百数十種類以上の有機物が含まれている。これらの成分の複合的な作用によって、食用酢にはない独特の殺菌・消毒効果を発揮するからだと考えられる。
また、この複合作用は、単一の組成で単一の機能しか持たない化学合成された対症治療薬と異なる竹酢液・木酢液の大きな特長でもある。
最近の研究報告によると、竹酢液・木酢液に含まれているフェノール系化合物に水虫の治療に有効な抗真菌性のあることがわかり、なかでも4-エチル2-メトキシフェノールと2.6-ジメトキシフェノールの2種に著書な効果が認められている。

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